
2025年5月20日、2025年大阪・関西万博オランダパビリオンの設計・建築コンソーシアムであるAND BVは、オランダパビリオンが万博会期終了後に「セカンドライフ(再活用)」を歩むことを発表しました。AND BVと日本の多国籍企業であるパソナグループとの間で、パビリオンの購入と淡路島への移転に関する基本合意が締結されました。
オランダパビリオンは、RAU建築事務所、エンジニアリングコンサルタント会社DGMR、デザインスタジオTellart、日本の建設会社淺沼組を含む日蘭コンソーシアムAND BVが設計および施工を行いました。当初から、パビリオンは完全に解体可能で再利用可能な構造物として構想され、循環型経済の原則を実証するために設計されました。すべての構成素材は、耐久性、トレーサビリティ、将来の使用可能性を考慮して選定されました。
パビリオンは、万博終了後にパソナグループが淡路島で進める持続可能性プロジェクトの一環として再建されることになっており、取り壊されたり、廃棄されることはありません。これにより、建物の寿命が延び、万博終了後もオランダパビリオンのテーマである「コモングラウンド(共創の礎)」の精神は生き続けます。
1976年設立のパソナグループは、雇用と人材サービスを中心とする日本の大手企業です。近年は、地域活性化や持続可能な開発のパイオニア的存在でもあります。淡路島での活動は、農業、教育、観光、地域づくりなど多岐にわたり、パビリオンの遺産である革新性と持続可能性を継承する理想的なパートナーです。
RAU建築事務所のトーマス・ラウ氏は、「建築に使用される素材資源は決して廃棄物に終わってはなりません。完全に再建築でき、別の用途に再活用できるよう、建物を最初からマテリアルバンク(素材の銀行)として設計することが可能であることを、オランダパビリオンは体現しています」と語ります。
この度のパソナグループとの基本合意を受け、オランダパビリオンは単なる展示会としてではなく、再生可能なデザインの具体的見本としても貢献することになります。オランダの2025年大阪・関西万博への参加のユニークかつ永続的な遺産となり、新たな場所で、そして新たな目的のために、インスピレーションを与え続けることでしょう。